

農場主の今週のひとこと
オーガニックネットワークで今週起こったこと、また、それによって感じたことなどを農場主が思うがままに綴っています。よろしければお暇つぶし的にご覧下さい。
2025/10/18
秋がいよいよ深まって来ました。周囲の田んぼは稲刈りが最盛期。黄金色だった田んぼがどんどん茶色に変わって行くのをみると、あー冬が来るなと思います。私が小淵沢に来た16年前は、稲刈りになると都会から帰ってきているであろう子供や孫たち総出で稲狩りをして いる姿があちこちで見られました。稲刈り が終わった翌日には大きな家の前に布団が何組も干されていて、あー稲刈りも大変だけど、帰った後の片付けも大変そうだな(笑)と見ていたものです。でも、今はそんな風に稲刈りをしている姿を見るのは稀になりました。なぜかと言えば、多くの農家がはざ掛け(収穫した稲を天日で乾かすこと)をしなくなったからです。はざ掛けをした方が断然お米が美味しいのですが、その労力は相当なもの。田んぼに稲をかけるための支柱を立てて、田んぼ中にある稲を集めてかけて、落ちないように養生して。はざ掛け中の管理も大変で台風でも来ようもんなら補強して。今はコンバインの性能が上がったことも含めて、収穫したらすぐに農協の施設に直行で終わるから、労力掛けてはざ掛けなんかしないんでしょうね。それと、昔は来てくれていた子供や孫がそれこそいい年になって来なくなったのも一因でしょう。稲刈りの風景からも地域の変化が見えてきます。 アオムシやナメクジの被害に遭っているものもありますが、アオムシにはかなりの確率で寄生蜂が寄生してくれていて、もう少し待てば勝手に死んでいってくれるだろうことが期待できます。寄生蜂というのは、私たちが見知っているいわゆる蜂とは異なり、非常に小さく気づかないくらいの蜂です。この蜂はアオムシに卵を産み付けてくれて、アオムシを宿主としてアオムシの中で蜂の子供たちが成育していきます。で、ある程度蜂の子供たちが成育するとワッっと一斉にアオムシから飛び出してくるんです。想像すると気持ち悪いですよね(笑)。なので、キャベツもアオムシにある程度は食害されるのですが、ある程度で済むんですよね。で、少し待っているとキャベツ自体がちゃんと修復してくれて食害されてたの?ってくらいきれいになる。すごいんですよ!!だから、食害されているものは待機中なんです(笑)。話を戻して、こういう寄生蜂がしっかりと畑に居続けられるということが重要で、だから住処となるような草むらを残し続けているんです。それ以外にも、ゴミムシという甲虫類やクモ類がアオムシやヨトウムシなどを食べてくれていること、またテントウムシがアブラムシを食べてくれているだろうことも想像できます。キャベツを収穫していても、それら虫たちがすぐ周りにいて、なんとも豊かだなと思えるのです。少しずつですが、やりたい世界が近づいている気がしています。

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